無料で検索可能な日本特許の調査法を紹介。J-PlatPat,Google Patents とPATENTSCOPE の特許検索法を比較して紹介します。従来、日本語で検索可能な無料の日本特許データベース(DB)は国内DBの
J-PlatPat のみでした。 最近、国外DBの
Google Patentsと
PATENTSCOPEが日本語で、無料検索できるようになりました[下表参照]。この中より、キーワードを用いた特許検索に適したDB[検索機能が優れ、検索精度高く、使い易いDB]を選択するために、具体的なテーマの検索式を用いて検索を行った結果を有料DBと比較して紹介します。具体的検索式による検索比較はDBの特徴・問題点が分かります。
日本語出願特許の調査で、見落とされがちな日本語出願の国際出願(PCT)調査法も含めて紹介します。日本語出願の国際出願は
再公表特許として発行されて、日本特許のDBに収録されるが、法律上の公報ではないので、発行が不定期で遅れる(国際出願は出願から18ヶ月後に公開されるが、再公表特許は国際公開から約1年9ヶ月後発行)。従って、
J-PlatPat[有料日本特許DBも要注意]で調査すると特許情報入手が遅れる。国際出願の比率は年々上昇して、2016年は約14%。また、国際出願には重要特許が多く含まれます。
PATENTSCOPEと
Google Patentsは日本語出願の国際出願を検索できるが、特許DBの信頼性[検索漏れ他]に問題点があります。
結論
- キーワード簡易検索[検索漏れを容認、検索結果の整理不要の場合]
J-PlatPatの特許・実用新案テキスト検索の「キーワードで検索」推奨
検索方法は簡単なので、下記資料を参考にしてご利用下さい。説明省略。
参考資料:特許情報プラットフォームマニュアル[特許・実用新案検索]
特許情報プラットフォームガイドブック[特許・実用新案検索]
- キーワード高度検索[検索漏れ少なく、検索結果整理要(Excel)の場合]
単独DBでは難しいので、下記2通りの2DB併用を推奨します。
●J-PlatPat「論理式で検索」とPATENTSCOPEの併用(特に推奨)
●J-PlatPat「論理式で検索」とGoogle Patentsの併用
ここではキーワード高度検索を紹介します。例示する具体的テーマの検索式を「コピー&ペースト」で、検索ボックスへ貼付、検索してみて下さい。
検索機能比較[日本特許検索に対する検索機能]
●コマンド検索:論理演算子(AND,OR,NOT)と検索コマンド組合せ検索。
コマンド例:TI(タイトル),AB(要約),CL(請求範囲)
●Excel出力可能DBは特許整理が容易。
Excel出力例[下記検索例②式]:
Google Patents,
PATENTSCOPE
●データ収録
全文検索開始年は3DB共同じだが、データの収録状況は異なる。
J-PlatPat:1993(平成5)年以降の収録漏れないが、1992年以前検索不可
Google Patents:若干収録漏れある。1992年以前は英語検索可(TI,AB)
PATENTSCOPE:収録漏れ・書誌事項不整備がある(特に古い特許)
検索件数比較
下記3テーマによる検索比較。3テーマは他特許調査法紹介でも使用します。
無料の米国特許調査法で下記3テーマの米国特許検索例紹介。
① ニコチンアミドモノヌクレオチドに関する日本特許検索
② 炭化けい素単結晶基板に関する住友電気工業社の日本特許検索
③ TDK社荒井三千男氏発明の日本特許検索
キーワード検索は(発明の名称+要約+請求の範囲)で実施。
検索期間は全期間と出願日限定(2000年1月1日~2010年12月31日)で検索。
公開特許と登録特許は各々単独で検索。語幹処理(Stemming)検索:On。
検索結果を表示しておきます。有料DB[Ultra Patent]と比較して下さい。
特に、出願日限定[2000年1月1日~2010年12月31日]の件数比較がよい。
一般的には検索件数が多い方がよいです[但し、Google Patentsは除く]。
DB側の改良で件数が変わるかもしれません。検索日を記載しておきます。
( ):ファミリー件数
データベース |
検
索
式 |
公開特許検索件数
[2017年6月22日検索] |
全期間 |
出願日:2000年1月1日
~2010年12月31日 |
公開 |
再表 |
J-PlatPat |
① |
49 |
2 |
6[17] |
② |
209 |
34 |
77[94] |
③ |
228 |
1 |
45 |
Google Patents |
① |
(42)
|
(5) |
(18) |
② |
(200) |
(82) |
(91) |
③ |
(303) |
(16) |
(49) |
PATENTSCOPE |
① |
38 |
6 |
12 |
② |
200 |
96 |
100 |
③ |
200 |
16 |
49 |
Ultra Patent
(有料DB) |
① |
55 |
2 |
18 |
② |
223 |
34 |
95 |
③ |
301 |
1 |
45 |
●全期間の件数:DB収録件数、DB更新時期、検索漏れにより差が生じる。
日本語出願の国際出願件数の差を表示するために分割表示。
検索テーマによって大きな差が生ずる[特に検索テーマ②]
公開:公開特許と公表特許の件数
再表:再公表特許、又は日本語出願の国際出願(PCT)件数
●出願日限定件数:本来は同じ件数だが、DB作成方針により多少差が生じる。
件数が大きく違う場合、要注意。
Google Patents:ファミリー件数表示(下記理由)。
PATENTSCOPE :書誌、請求項が公報データと異なる場合が多い。検索漏れ
J-PlatPat :出願日限定検索の場合、特表・再公表特許が検索漏れ。
[ ]内は、国際出願日を加えて検索した場合の件数。
●Google Patentsの検索数が少ないのは、ファミリー件数表示が最大の原因。
同一ファミリー特許は1件のみ表示されて、他は表示されない。
●Ultra Patent:有料DBだが、簡単な検索は無料[無料会員登録要]で可能。
特許データベース評価
- J-PlatPat
(独)工業所有権情報・研修館提供の無料の特許情報プラットフォーム。
キーワード検索は「特許・実用新案テキスト検索」を用いる。
- 調査可能特許
日本特許(公開特許公報、特許公報、公開実用新案公報、実用新案公報)
米国特許和文抄録,欧州特許和文抄録,中国特許和文抄録
- 特徴
●日本のDBなので、検索方法が分かり易い。
●日本特許独自の細分化された特許分類[FI,Fターム]が使用可能。
但し、Fターム検索はこの利点が十分生かされていない[下記参照]。
●単純な検索漏れは少ない[下記出願日検索除外]。
- 問題点
●有料DBに比べ古い特許[平成4年(1992年)以前]の検索が不可。
●「キーワード」入力枠に文字制限[全角:100文字以内]がある。
論理式検索の場合:全角750文字。下記検索例は論理式検索で行う。
●検索結果のExcel出力不可。Excel作成は可能だが、固定アドレス不可。
固定アドレス:Excelのリンクから、公報内容を確認できる。
「Google Patents」、「PATENTSCOPE」は固定アドレス可能。
●検索対象データが「公報データ」(公報記載データ)使用。
Fターム検索:「整理標準化データ」使用DBに比べ検索漏れ生ずる。
●再公表特許のタイムラグ
公開特許公報(特開):国内出願,出願日から1年6月後発行
公表特許公報(特表):国際出願,外国語出願,出願から2年6月後発行
再公表特許(再表):国際出願,日本語出願,出願日から2年6月後発行
再公表特許は、先行技術調査に必要な行政サービスとして公開公報に
収録されるが、法律上の公報ではないため発行時期が不定期、遅れる。
国際出願は出願日から、1年6月後発行されるので、PATENTSCOPE
検索を推奨。国際出願の比率は年々上昇して、2016年は約14%。
これだけの件数の情報が遅れるのは問題。
●出願日指定検索を行うと、上記「特表」,「再表」が検索漏れになる。
出願日検索を行う場合は国際出願日も加える必要がある。
●検索機能が「PATENTSCOPE」、「Google Patents」に比べ劣る。
近接演算(近傍検索)不可、二重括弧禁止・・・・
- 検索方法
特許・実用新案検索使用。種別:「公開特許公報」チェック。
キーワード検索は語数制限[全角100文字以内,半角200文字以内]があるので、論理式[全角750文字以内,半角1500文字以内]検索推奨。
論理式検索[論理演算子(+,*,-)又は(OR,AND,NOT)を用いた検索]は「PATENTSCOPE」、「Google Patents」でも使用。
論理式検索参考資料:
特許・実用新案テキスト検索 論理式作成についての解説
特許情報プラットフォーム説明会資料(p.17)
- 検索例
①[ニコチンアミドモノヌクレオチドに関する日本特許検索]
出願日:2000年1月1日~2010年12月31日
全期間検索の場合は下記式の*[20000101:20101231/AD]削除。
キーワード検索は(タイトル+要約+請求の範囲)で検索。
「ニコチンアミドモノヌクレオチド」は種々の表現方法があります。
類似語は「J-GLOBAL」等で調査、同義語、類似語を抽出しておく。
キーワードを検索する場所を検索タグで指定して下記検索式作成。
検索タグ説明
/AC:要約+請求の範囲,/TI:発明の名称,/AD:出願日
[ニコチンアミドモノヌクレオチド/AC+ニコチンアミド・モノヌクレオチド/AC+ニコチンアミドモノヌクレオシド/AC+ニコチンアミドヌクレオチド/AC+ニコチンアミド・ヌクレオチド/AC+ニコチンアミドヌクレオシド/AC+ニコチンアミドリボシド/AC+ニコチンアミドモノヌクレオチド/TI+ニコチンアミド・モノヌクレオチド/TI+ニコチンアミドモノヌクレオシド/TI+ニコチンアミドヌクレオチド/TI+ニコチンアミド・ヌクレオチド/TI+ニコチンアミドヌクレオシド/TI+ニコチンアミドリボシド/TI]*[20000101:20101231/AD]
特許・実用新案検索の(頁下方)「論理式に展開」下の枠に、
上記検索式(出願日限定検索式)をコピー → 貼付 → 「論理式で検索」クリック
検索結果[検索漏れ,未収録件数は有料DBとの比較件数(以下同様)]
●出願日検索[2000.10.1~2010.12.31]:6件,検索漏れ:12件
国際出願日(検索タグ:/IAD)を加えて検索:17件,検索漏れ:1件
●全期間検索:49件,検索漏れ:1件,未収録:5件(1992年以前)
問題点
●上記検索式のような出願日検索を行うと、「特表」が検索漏れ12件。
*[20000101:20101231/AD+20000101:20101231/IAD]のように
国際出願日を加える必要あり。出願日設定検索は注意が必要。
●上記以外の単純検索漏れ:1件
特表2013-500026:Googleは検索、PATENTSCOPEは検索漏れ
参考情報
●PATENTSCOPEでJ-PlatPat未検索の国際出願特許4件検索される。
即ち、PATENTSCOPEで国際出願検索により、再公表特許情報が
早く得られる。
●上記検索式では、他DBと揃えるため検索タグ「/TI」を加えています。
検索タグ「/AC」のみの場合と、殆どの場合検索件数は変わりません。
②[炭化けい素単結晶基板に関する住友電気工業社の日本特許検索]
出願日:2000年1月1日~2010年12月31日
全期間検索の場合は下記式の*[20000101:20101231/AD]削除。
[炭化けい素/AC+炭化ケイ素/AC+炭化珪素/AC+炭化硅素/AC+炭化シリコン/AC+シリコンカーバイド/AC+SiC/AC+炭化けい素/TI+炭化ケイ素/TI+炭化珪素/TI+炭化硅素/TI+炭化シリコン/TI+シリコンカーバイド/TI+SiC/TI]*[単結晶/AC+単結晶/TI]*[基板/AC+ウエハ/AC+基板/TI+ウエハ/TI]*[住友電気工業/AP]*[20000101:20101231/AD]
特許・実用新案検索の(頁下方)「論理式に展開」下の枠に、
上記検索式(出願日限定検索式)をコピー → 貼付 → 「論理式で検索」クリック
検索結果
●出願日検索[2000.10.1~2010.12.31]:77件,検索漏れ:17件
国際出願日(検索タグ:/IAD)を加えて検索:94件,検索漏れ:1件
●全期間検索:241件,検索漏れ・未収録:未チェック
問題点
●上記検索式の出願日検索を行うと、「再公表」が検索漏れ17件。
*[20000101:20101231/AD+20000101:20101231/IAD]のように
国際出願日を加える必要あり。出願日設定検索は注意が必要。
●上記以外の検索漏れ:1件
特開2005-324994:Googleも未検索、PATENTSCOPEは検索
参考情報
●PATENTSCOPEでJ-PlatPat未検索の国際出願特許61件検索される。
即ち、PATENTSCOPの検索[日本特許と国際出願特許同時検索可能] により、再公表特許情報が早く得られる。
③[TDK社荒井三千男氏発明の日本特許検索]
出願日:2000年1月1日~2010年12月31日
全期間検索の場合は下記式の*[20000101:201・・・・]削除。
[TDK/AP+ティーディーケイ/AP]*[荒井三千男/IN]*[20000101:20101231/AD+20000101:20101231/IAD]
特許・実用新案テキスト検索の(頁下方)「論理式に展開」下の枠に、
上記検索式(出願日限定検索式)をコピー → 貼付 → 「論理式で検索」クリック
検索結果
●出願日検索[2000.10.1~2010.12.31]:45件,検索漏れ:0件
●全期間検索:229件,検索漏れ:0件,未収録:75件
問題点
●社名が「TDK」のみ場合は検索漏れ生ずる。古い社名も必要。
参考情報
●出願日検索件数がGoogle Patents,PATENTSCOPEより少ない。
これは多い方が間違い。両方とも出願日誤記載が原因。
- Google Patents
米国Google社提供の無料の特許データベース。
- 調査可能特許
米国特許,欧州特許,国際出願特許,日本特許,中国特許等17カ国
- 特徴
●検索結果がファミリー件数表示。同一ファミリーの1件が表示。
ファミリー特許は内容をほぼ同一と判断1件表示、調査労力減少する。
特許調査の目的によるが、全件表示の方がよい場合が多い。
「The Lens」のように、全件表示との切替表示が望まれる。
●収録全特許の全文検索(タイトル,要約,請求項,詳細な説明)可能。 全文検索可能国が多いのは非常に魅力的。
●日本特許の全文検索は1993年(平成5)以降が検索可能。
1992年以前は、英語で検索[タイトル,要約中のキーワード]可能。
●キーワードの近傍検索,フレーズ検索等可能。
●日本特許及び日本語の国際出願特許は日本語と英語の両方で検索可能。
日本語と英語両方で検索すると検索漏れ防止に役立つ。
●検索結果のExcel出力が可能。出力見本[下記検索例②式結果]
DownloadしたCSVを開いて文字化けする場合は下記方法で行う。
Excelを開く → データ → テキストファイル → CSVをインポート
→ テキストファイルウィザード[文字化けしないコード(UTF-8)]
→ 次へ → 「カンマ」チェック → 次へ → 完了 → OK
- 問題点
●他特許データベースと比べ、検索方法が分かり難い。
●特許番号の「OR」検索[複数検索]ができない。
従って、検索結果のExcelに検索漏れ特許複数件の追加ができない。
但し、Google Patents は固定アドレスなので、1件毎の追加は可能。
●同じ検索式で検索件数が変わることがある。検索件数:about表示。
- 検索方法
キーワード検索はAdvanced Search を使用[画面は幅広で表示]。
画面左側に入力項目が薄い字で表示。
注意:画面を横に広げていないと、画面左側の入力項目が表示されない。
「SEARCH TERMES」にキーワードを用いた検索式記入。
検索コマンド(検索場所指定の略号)で検索場所を指定して、
論理演算子(AND,OR,NOT)で検索式作成する。下記検索式例参照。
検索コマンド説明[詳細:Searching with boolean ・・・参照]
TI:タイトル,AB:要約,CL:請求範囲
「SEARCH FIELDS」に、出願人,発明者,出願日,管轄特許庁等記入。
記入して、リターンキー押すと検索されます。
- 検索例
①[ニコチンアミドモノヌクレオチドに関する日本特許検索]
TI=(ニコチンアミドモノヌクレオチド OR "ニコチンアミド・モノヌクレオチド" OR ニコチンアミドモノヌクレオシド OR ニコチンアミドヌクレオチド OR "ニコチンアミド・ヌクレオチド" OR ニコチンアミドヌクレオシド OR ニコチンアミドリボシド OR "ニコチンアミド・リボシド") OR AB=(ニコチンアミドモノヌクレオチド OR "ニコチンアミド・モノヌクレオチド" OR ニコチンアミドモノヌクレオシド OR ニコチンアミドヌクレオチド OR "ニコチンアミド・ヌクレオチド" OR ニコチンアミドヌクレオシド OR ニコチンアミドリボシド OR "ニコチンアミド・リボシド") OR CL=(ニコチンアミドモノヌクレオチド OR "ニコチンアミド・モノヌクレオチド" OR ニコチンアミドモノヌクレオシド OR ニコチンアミドヌクレオチド OR "ニコチンアミド・ヌクレオチド" OR ニコチンアミドヌクレオシド OR ニコチンアミドリボシド OR "ニコチンアミド・リボシド")
上記検索式コピー、「Advanced search」の「SEARCH TERMS」貼付。
「リターンキー」押すと検索結果が画面上部に表示(About件数)。
画面左側の「MORE」をクリック、下記設定を行う。
注意:画面を広げていないと、下記入力画面と「MORE」表示されない。
下記設定を実施すると件数[ファミリー件数]が絞られてゆきます。
日本特許設定:「Patent office」をクリック → JP選択
(国際出願設定:「Patent office」をクリック → WO選択)
公開特許設定:「Filing status」をクリック → Application選択
(登録特許設定:「Filing status」をクリック → Grant選択)
出願日設定 :2000年1月1日~2010年12月31日
「After filing」 をクリック → 2000-01-01記入
「Before filing」 をクリック → 2010-12-31記入
「Before priority」の場合、priorityクリック filing変換
検索画面(下記例は英語の検索式だが、日本語検索式も同様)
検索画面拡大
検索結果
●出願日検索[2000.10.1~2010.12.31]:18件,検索漏れ:0件
●全期間検索:日本公開特許:42件,WO:5件
検索漏れ:1件,未収録:5件(1992年以前)
問題点
●検索方法が、初心者には分かり難い。画面は幅広に表示しておく。
●検索件数が近似値[About件数]表示。ファミリー件数表示。
同じ「simple patent family」の最上位の特許のみが表示される。
他のファミリー特許は除外されて表示。
●検索漏れ・間違い・未収録
出願日検索(2000.1.1~2010.12.31):検索漏れ等なし
全期間検索:検索漏れ1件,検索間違い1件,未収録5件
●「ニコチンアミド・モノヌクレオチド」は引用符「" "」で囲む。
囲まないと、「・」前後のキーワードの「OR」検索になる。
参考情報
●本検索テーマの英語検索式
「無料米国特許調査法」(Google Patents)参照。
②[炭化けい素単結晶基板に関する住友電気工業社の日本特許検索]
(TI=(炭化けい素 OR 炭化ケイ素 OR 炭化珪素 OR 炭化硅素 OR 炭化シリコン OR シリコンカーバイド OR SiC) OR AB=(炭化けい素 OR 炭化ケイ素 OR 炭化珪素 OR 炭化硅素 OR 炭化シリコン OR シリコンカーバイド OR SiC) OR CL=(炭化けい素 OR 炭化ケイ素 OR 炭化珪素 OR 炭化硅素 OR 炭化シリコン OR 炭化シリコン OR シリコンカーバイド OR SiC)) AND (TI=単結晶 OR AB=単結晶 OR CL=単結晶) AND (TI=(基板 OR ウエハ) OR AB=(基板 OR ウエハ) OR CL=(基板 OR ウエハ))
上記検索式コピー、「Advanced search」の「SEARCH TERMS」貼付。
「リターンキー」押すと検索結果が画面上部に表示(About件数)。
画面左側の「MORE」をクリック、下記設定を行う。
下記設定を実施すると件数[ファミリー件数]が絞られてゆきます。
出願人設定:「Assignee」に 「住友電気工業」 記入。
文字入力始めると、辞書機能により候補が表示される。
画面右側(又は下側)にAssignees、Inventors、CPCsの
ランキングが表示。クリックにより追加入力可能。
日本特許、出願日、公開特許、国際出願設定等は①式の設定参照。
検索結果
●出願日検索[2000.10.1~2010.12.31],Excel出力例
日本公開特許:78件(再公表:1件),WO(PCT):14件
検索漏れ:2件
●全期間検索:日本公開特許:206件(再公表:6件),WO(PCT):82件
検索漏れ・未収録:未チェック
参考情報
●本検索テーマの英語検索式
「無料米国特許調査法」(Google Patents)参照。
③[TDK社荒井三千男氏発明の日本特許検索]
Advanced Search の「Inventor」,[Assignee]欄に記入
発明者設定:「Inventor」に 荒井三千男,三千男荒井, MICHIO ARAI
ARAI MICHIO 記入
出願人設定:「Assignee」に TDK,ティーディーケイ 記入
日本特許、出願日、公開特許、国際出願設定等は①式の設定参照。
検索結果
●出願日検索[2000.10.1~2010.12.31]
日本公開特許:49件,WO(PCT):1件,誤検索:4件
●全期間検索:日本公開特許:303件,WO(PCT):16
平成4年以前の特許(73件)が検索される。
但し、書誌事項は英文。英文の要約付、請求項・全文無し。
検索漏れ・未収録:未チェック。
問題点
●発明者検索では、ファーストネーム、ラストネーム順序入替検索必要。
一方だけだと検索漏れになる。
●上記の誤検索4件は何れも出願日違い(特許公報と異なる)。
なお、画面を最大画面表示にすると、画面右側に出願人(Assignee)、発明者(Inventor)、分類(CPCs)のランキングが表示される。
その中で、追加するものがある場合、クリックすると追加されます。
画面右側に表示されない場合は、画面の下方に表示。
- 特許番号調査、特許公報取得法
Google Patentsのトップ画面に番号入力(番号だけでも可能)
入力例[特開2006-111500,JP2006111500,JPなしで可]
→ 候補表示[JPなしの場合、複数件表示される場合ある]
→ 該当番号をクリック → 詳細情報表示
→ 特許公報取得する場合は「Espacenet」をクリック
(日本特許は詳細画面で取得不可、Espacenet経由取得)
→ (「I am human」) → Original document → Dwnload
問題点
●特許番号の「OR」検索不可(特許番号の複数入力不可)。
従って、検索結果Excelへ検索漏れ特許情報の追加ができない。
- PATENTSCOPE
WIPO(世界知的所有権機構)提供の無料の特許データベース。
WIPOは国際公開公報(WO公報,PCT公報)の発行元。
- 調査可能特許
PCT,欧州特許,米国特許,日本特許,中国特許,韓国特許等約48カ国。
特許収録範囲参照。
- 特徴
●日本特許の全文検索が日本語で検索可能。
●日本語出願の国際出願(PCT公報)が検索可能。
国際公開はJ-PlatPat検索の再公表特許より早い[約1年9ヶ月早い]。
●画面の日本語表示可能。画面最上部の「日本語」をクリックする。
●登録(無料)すれば、検索式保存、検索結果のExcel出力が可能。
出力見本①[下記検索例②式結果,要約・図なし]
出力見本②[下記検索例②式結果,要約・図入り]
●数種類の翻訳ソフトによる機械翻訳機能がある。
- 問題点
●検索漏れがある。書誌・請求項は公開公報のものと違う場合が多い。
●日本特許の収録漏れ[特に、古い特許]がある。
●検索・収録漏れがあるので、PATENTSCOPE単独での特許調査不適。
検索結果のExcel出力(ダウンロード)が可能だが、残念なところ。
●日本の特許公報が取得できない場合がある。特に古い特許公報。
●古い特許出願番号、特許公開番号の表記に注意!! 独自表記採用。
●使用するブラウザで検索件数、Excel出力表示が異なる場合がある。
- 検索方法
簡易検索(Simple),詳細検索(Advanced Search),構造化検索(Field Combination),多言語検索(Cross Lingual Expansion)があるが、ここでのキーワード検索は詳細検索を使用した例を紹介。
参考資料:PATENTSCOPE ユーザガイド
- 検索例
①[ニコチンアミドモノヌクレオチドに関する日本特許検索]
[出願日:20000101~20101231で検索式作成、全期間検索の場合は
検索式後方の「AND AD:[01.01.2000 to・・・」以降を削除]
(JA_TI:(ニコチンアミドモノヌクレオチド OR "ニコチンアミド・モノヌクレオチド" OR ニコチンアミドモノヌクレオシド OR ニコチンアミドヌクレオチド OR "ニコチンアミド・ヌクレオチド" OR ニコチンアミドヌクレオシド OR ニコチンアミドリボシド OR "ニコチンアミド・リボシド") OR JA_AB:(ニコチンアミドモノヌクレオチド OR "ニコチンアミド・モノヌクレオチド" OR ニコチンアミドモノヌクレオシド OR ニコチンアミドヌクレオチド OR "ニコチンアミド・ヌクレオチド" OR ニコチンアミドヌクレオシド OR ニコチンアミドリボシド OR "ニコチンアミド・リボシド") OR JA_CL:(ニコチンアミドモノヌクレオチド OR "ニコチンアミド・モノヌクレオチド" OR ニコチンアミドモノヌクレオシド OR ニコチンアミドヌクレオチド OR "ニコチンアミド・ヌクレオチド" OR ニコチンアミドヌクレオシド OR ニコチンアミドリボシド OR "ニコチンアミド・リボシド")) AND AD:[01.01.2000 to 31.12.2010]
Advanced search[詳細検索]検索ボックスに上記検索式を記入。
上記検索式をコピー → 検索ボックスへ貼付。
言語:日本語,語幹処理適用:チェック → 検索(Search)
検索結果表示画面調整[画面最上部:日本語,English(英語)切替可]
●「並び替え(Sort by)」:公開日,出願日,関連性で並び替え可能
●「View」:簡易表示,詳細表示,図入りの切替可能
●「表示件数(List Length)」:画面表示件数を10~200件切替可能
●「結果分析(Analysis)」をクリック
国名,国際特許分類,発明者,出願人,公開日ランキング表示
●特許の詳細情報表示
特許番号クリック → 詳細情報(国内書誌情報,フルテキスト,書類)
請求項(Claims)は「フルテキスト(Full Text)」参照
●特許公報取得(PDF)
上記詳細情報の「書類(Documents)」をクリック → PDF
特許公報が取得できないものもあります。
検索結果
●出願日検索[2000.10.1~2010.12.31]
日本公開特許:12件
検索漏れ:7件[全て公表特許]
誤検索:1件[請求項:登録特許(公表)の請求項記載]
上記より公表特許の収録データに問題点ある模様。
●全期間検索:日本公開特許(38件),PCT(6件)
検索漏れ:12件,未収録:6件(1992年以前5件)
問題点
●検索漏れが他DBに比べ多い。請求項が特許公報と違う場合が多い。
参考情報
●本検索テーマの英語検索式
「無料米国特許調査法」(PATENTSCOPE)参照。
②[炭化けい素単結晶基板に関する住友電気工業社の日本特許検索]
[出願日:20000101~20101231で検索式作成、全期間検索の場合は
検索式後方の「AND AD:[01.01.2000 to・・・」以降を削除]
(JA_TI:(炭化けい素 OR 炭化ケイ素 OR 炭化珪素 OR 炭化硅素 OR 炭化シリコン OR シリコンカーバイド OR SiC) OR JA_AB:(炭化けい素 OR 炭化ケイ素 OR 炭化珪素 OR 炭化硅素 OR 炭化シリコン OR シリコンカーバイド OR SiC) OR JA_CL:(炭化けい素 OR 炭化ケイ素 OR 炭化珪素 OR 炭化硅素 OR 炭化シリコン OR シリコンカーバイド OR SiC)) AND (JA_TI:単結晶 OR JA_AB:単結晶 OR JA_CL:単結晶) AND (JA_TI:(基板 OR ウエハ) OR JA_AB:(基板 OR ウエハ) OR JA_CL:(基板 OR ウエハ)) AND PA:住友電気工業 AND AD:[01.01.2000 to 31.12.2010]
Advanced search[詳細検索]検索ボックスに上記検索式を記入。
上記検索式をコピー → 検索ボックスへ貼付。
言語:日本語,語幹処理適用:チェック → 検索(Search)
検索結果
●出願日検索[2000.10.1~2010.12.31],Excel出力例
日本公開特許:92件(再公表:16件),PCT:24件
上記表記入件数=92ー16+24=100[再公表分修正]
PCT24件には再公表特許として未発行分7件含まれる。
国際公開後、再公表特許未発行がある(特許庁確認済)。
検索漏れ:1件,未収録:2件,誤検索:1件
●全期間検索:日本公開特許:227件(再公表:27件),PCT:96件
検索漏れ・未収録:未チェック
問題点
●未収録(2件)、検索漏れ(1件)、誤検索(1件)がある。
●特許公報(PDF)取得できない場合がある。特に、古い特許公報。
●古い公開公報の番号表記に注意!!
例:特開平11-209198 → 11209198
●特許番号検索(公開番号)できない場合がある。特に、古い公開番号。
番号検索は出願番号検索がよいが、古い特許の出願番号表記に注意!!
例:特願平10-012646(1998.01.26) → 1264698
●番号検索例[出願番号の「OR」検索(複数出願番号検索)]
AN:1264698 OR AN:753798 OR AN:23137897
参考情報
●特許整理にPATENTSCOPEのExcelを利用する場合。
検索漏れ特許のExcelへの追加は、上記の出願番号検索が利用できる。
●本検索テーマの英語検索式
「無料米国特許調査法」(PATENTSCOPE)参照。
③式[TDK社荒井三千男氏発明の米国特許検索]
[出願日:20000101~20101231で作成、全期間の場合は
検索式後方の「AND AD:[01.01.2000・・・」以降を削除]
PA:(TDK OR ティーディーケイ) AND IN:(荒井三千男 OR "ARAI MICHIO" OR "MICHIO
ARAI") AND AD:[01.01.2000 to 31.12.2010]
Advanced search[詳細検索]検索ボックスに上記検索式を記入。
上記検索式をコピー → 検索ボックスへ貼付。
言語:日本語,語幹処理適用:チェック → 検索(Search)
検索結果
●出願日検索[2000.10.1~2010.12.31]
日本公開特許:48件,PCT:1件,誤検索:3件
●全期間検索:日本公開特許:200件,PCT:16件
検索漏れ・未収録件数:未チェック
問題点
●上記の誤検索3件は何れも出願日違い(特許公報と異なる)。
●検索漏れ件数未チェックだが、検索漏れ・未収録特許多い模様。
●古いPCT公報の書誌情報は、発明者名が英語表記。上記検索式使用。
- 結論
単独DBでは難しいので、下記2通りの2DB併用を推奨します。
●J-PlatPat「論理式で検索」とPATENTSCOPEの併用(特に推奨)
●J-PlatPat「論理式で検索」とGoogle Patentsの併用
理由
●日本特許の収録・検索範囲状況
J-PlatPat:1993(平成5年)以降の全文検索可能。未収録特許無い。
Google Patents:1993年以降の全文検索可能。未収録特許若干有る。
1992年以前の日本特許は英語検索で可能。
PATENTSCOPE:1993年以降の全文検索可能。未収録特許多い。
J-PlatPat(無い)>Google Patents>PATENTSCOPE(多い)
J-PlatPatとGoogle Patentsは登録特許の検索が可能。
●検索漏れ
J-PlatPatは出願日検索に検索漏れがあるが、他の検索漏れは少ない。
J-PlatPat(少ない)>Google Patents>PATENTSCOPE(多い)
●日本語出願の国際出願の検索
PATENTSCOPEとGoogle Patentsは国際公開を日本語で検索可能。
J-PlatPatは再公表特許検索になるので、公開遅れる(約1年9ヶ月)。
外国出願を行うような特許[上記検索例②]には重要なものが多い。
情報入手が遅れるのは問題[有料の日本特許DBも要チェック]。
PATENTSCOPE(早い)>Google Patents>J-PlatPat(遅れる)
●検索結果のExcel出力
PATENTSCOPEとGoogle PatentsがExcel出力可能。
PATENTSCOPE出力見本,Google Patents出力見本
但し、Google Patentsは未収録・検索漏れ特許の追加が難しい。
PATENTSCOPE(使い易い)>Google Patents>J-PlatPat(不可)
●検索機能
検索機能は商用DBに比べると劣るが、PATENTSCOPEが優れている。
PATENTSCOPE>J-PlatPat>Google Patents
●検索件数表示
Google Patentsはファミリー件数表示[ファミリー特許1件表示]。
件数が少なく特許調査の労力は減るが、特許調査目的によっては欠点。
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